通達距離―伝播損失チャート

前項でベストコンディションであろう時の大気圏損失を47G,75Gで逆算することが出来ました
ので、これらの伝播損失を基本式に当てこみチャート化します。総合伝播損失の基本式
32.45+20log(f)+20log(d)+Lax(d)に周波数(f)MHzとLa と区切りの良い距離(d)kmを10箇所く
らいインプットして縦軸に通達距離、横軸に伝播損失をとり各距離で伝播損失をプロットして線
引き、出来上がりです。
チャートの応用例を47Gチャートで説明します。ここで総合伝播損失と総合伝送利得(送信装置
を含めた)が同じ値になったとき実用感度で受信出来るのだ ということを念頭において下さい。
つまり実用感度のスレシホールドレベルは伝播損失と伝送利得が同一になった時でチャートの
横軸はそのまま総合伝送利得に置き換えられるのです。

・応用例1.47Gで送信出力0.2mWを製作したがFMで何キロ交信出来るのか?
       またCWでは何キロくらい?


       47Gチャート内に応用例の装置諸元があります。これらの値を合計した198dBが
       総合伝送利得となり、横軸198dBラインが実線と交わるところより通達距離140
       kmが直読出来ます。また点線と交わるところは105kmとなりますので、この0.2
       mW機はコンディションの良い時はFMで140km、コンディションの悪い時でも105
       kmは交信出来ることになります。
CWでは受信感度がFMより24dB良くなりますの
       で198dB+24dB=222dBラインと実線、点線との交差点より170km〜230km
       は交信可能となります。

・応用例2.受信感度もアンテナゲインも判らないがディッシュの直径を50cmから1mに変えれ
       ばいま50kmが何キロくらいに延びるか?


       直径が2倍になれば面積比4倍、つまり6dB感度が上がったことになり、実線50km
       点より右に6dBスライドして実線との交差点より63km交信可能となります。


尚、このチャートは実験サンプル数が少なく信頼性に欠けておりますが、今後多数実験を重ね、
より信頼性のあるチャートにまとめ上げて行きたいと思います。